層序学・堆積盆(2)                    トップページに戻る

左の写真は,スペースシャトルの搭乗員が撮影した北海道中央部の姿です。地球があまりに美しいのでうっとりしちゃうでしょ。(しない?)

冠雪した山塊はそれぞれ,左下が暑寒別岳,中央が大雪・十勝連峰,中央下端が夕張・芦別山地,右下が日高山脈北部です。

画面の左半分には,それらの山地の間に多くの堆積盆が発達しているのがわかります。また,右下の緑の平原は十勝平野です。

photo by NASA/ Mission STS-101, May 2000

ザグロス山地−ペルシャ湾の例でみたように,北海道の場合も,盆地や平野は今現在の堆積盆地であり,その周囲の山地は地質時代の堆積盆地であることが多いのです(例外もありますが)。つまり,世界の堆積岩分布地域は,一般に,幾重にも重層的にかさなりあったいろいろな時代の堆積盆地で構成されている,という見方が可能です。層序学を用いて堆積盆地の歴史を解明していくことは,地殻のある部分のなりたちを解明していく,ということです。
左図のような,自分の五感で直接感じとれるサイズの自然と向き合うことから始まって,そんな壮大なことがわかっちまうなんて,ちょびっとスゲーでしょ。

自然と向き合うことは,個人の感受性(観察能力)に関わる部分が多いですから,ある意味孤独な作業です。他の誰かが自分にかわって観察してくれるわけではないし,自分のかわりに考えてくれるわけではありません。他人の意見は,たくさんある解釈のひとつでしかありません。が,自分の力でじっくりものを考えたい人には向いているでしょう。地層の様子の全体像がわかってきた時が,楽しい瞬間です。


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