パリノロジー(2) パリノロジー(1)へ戻る トップページに戻る
いろいろな起源のパルノモルフが同一のプレパラートの上で観察できることから,その組み合わせによって堆積環境を推定することができます。ひとつの試料でのパリノモルフの組成を,パリノファシス palynofacies と呼びます。河川成層の場合は,パリノファシスは陸上植物起源のパリノモルフのみから成っています(下図左)。海成層では,陸上植物起源のものと海棲藻類起源のものが混在しているのが一般的特徴です(下図右)。湖沼成層の場合は,淡水棲藻類が特徴的に優占したりします。このようなパリノファシスの垂直・水平変化を手がかりに,特に河川〜エスチュアリ〜デルタ〜陸棚の堆積物を環境毎に細分する手法がパリノファシス解析です。下図は,新潟県下の中新世の非海成環境からの海進サクセションにおけるパリノファシスの垂直変化の例。
pは花粉化石,sはシダ類胞子化石。陸上植物起源のものばかりで構成されている。海の生物の要素がない。 | pの花粉化石のほかに,海棲プランクトンのd=渦鞭毛藻化石が混在している。海が侵入してきた証拠である。 | |
→海進→ |