木(材)の化石

 化石として見つかる植物は葉・種子・花粉(胞子)など、それぞれの部分がばらばらになって産出することがほとんどです。 それらのうち、樹木の幹など、木質化した組織の化石を「材(ざい)化石」といいます。材化石は、その保存状態によって異なる特徴があります。

@リグナイト
 材が地層中に埋もれ、炭化してできたもの。強い変形によってもとの形をとどめないこともある。 このうち、「炭化木」はもとの形態をある程度とどめている場合に用いられることが多い。

A珪化木
 材にガラスや石英と同じ成分であるケイ酸が充填したもの。淡水域の堆積物に見つかりやすい。

B石灰化木
 材に貝殻や石灰岩と同じ成分である炭酸カルシウムが充填したもの。海で堆積した地層中からみつかることが多い。

 「自然史のパッセージ」には珪化木と石灰化木が展示されていますが、その中に少し変わった見かけのものがあります。 表面を無数の水晶(石英の結晶)がおおっている美しい標本です。 これは俗に「水晶木」ともよばれ、一部は珪化木ですが、中にはそうでないものも含まれているようです。

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