新潟大学 自然史のパッセージ
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佐渡島の新生代化石
-湖の時代から海の時代へ-
80万年前の佐渡:沢根(沢根層)の大型化石
 沢根層の崖からは大型化石が多産しますが,砂層と泥層とでは含まれる化石の種類が異なることがわかっています.

 砂層から産出する化石でもっとも多いものは二枚貝です.その中でも,エゾタマキガイ(Glycymeris yessoensis)という種がたくさん産出します.その他にはエゾキンチャク(Swiftopecten swiftii),ヨコヤマホタテ(Mizuhopecten yokoyamae)などが含まれます.いずれも殻の厚い貝で浅い海に住む種です.二枚貝の大部分は,二枚の殻がはずれた状態(離弁)で産出します.また,二枚貝の殻に円形の孔があいたものが混じっています.この孔は,巻貝に食べられた跡です.二枚貝以外では,巻貝,腕足類などが産出します.

 この砂層から産出する化石は,現在のオホーツク海のような寒い海域で生息する種が多いといえます.
 泥層に含まれる化石でもっとも普通に見られるのも貝類です.砂層からの貝化石とは違って薄い殻の種が多いのが特徴です.二枚貝は両殻がくっついたままの状態で産出することが普通です.また,巻貝,ツノ貝などの貝類やウニも見つかることもあります.さらに泥層をよく観察すると生き物がはった跡(生痕)もみつかります.