新潟大学理学部理学科 地質科学プログラム

君の研究はコレ!

■どんな研究ができるかな?

 新潟大学理学部地質科学プログラムの特色のひとつは,研究対象として,地殻~上部マントルの地質現象の非常に多くの部分をカバーしていることです。鉱物・岩石・構造地質・地層古生物の4分野が全部そろっていて,扱う範囲が広く,地質学のいろいろな側面から自分の研究テーマが選べます。※このファイルの2ページめに研究室紹介が載っています!

 高校で地学を勉強していなくても大丈夫。入学後,地質学を基礎から学び,興味を広げ,物理・化学・生物などの知識も生かしつつ,自分に合った卒業研究テーマを見つけていきましょう。

 

○鉱物・ナノ物質・結晶化学・電子顕微鏡などに興味のある人には ⇒鉱物学分野 Mineralogy

・一般に:岩石などを構成する微少な単位である「鉱物」のナノスケールの内部構造や性質を調べる研究をします。

・当プログラムの特徴:電子顕微鏡を駆使した研究を行っていることです。また,対象として生体鉱物(バイオミネラル,生物が体内に分泌する鉱物)を扱っていることも,特徴のひとつです。

 

 ○マグマ活動・火山・地球深部・高温高圧の物質化学などに興味のある人には ⇒岩石学分野 Petrology

・一般に:主として結晶質岩(火成岩,変成岩)を対象に,その鉱物組成・組織・化学組成を調べて,地球内部で起こっている火成作用・変成作用を調べます。

・当プログラムの特徴:火成作用(マグマの作用)や変成作用が起る「場」(=火成岩や変成岩が形成される場所)として,大陸地殻と海洋地殻の両方を研究対象としています。そして,火山岩・深成岩・変成岩などの多くの岩石種を対象としています。これは,多様な来歴の岩石の形成過程を調べているということです。

 

 ○山がなぜ高くなるか・地震現象・活断層・褶曲・地殻の力学などに興味のある人には ⇒構造地質学分野 Structural Geology/Tectonics

・一般に:岩石の変形を調べ,地球内部に働く大きな力について探求します。構造地質学は,岩石学と力学が複合したもの,と捉えるといいでしょう。

・当プログラムの特徴:地殻の深部で起こる変形(延性領域の変形)も,浅部で起こる変形(脆性領域の変形)も,両方扱っているほか,沈み込み帯に焦点を当てた研究も行っています。そして,いずれの領域の研究も,日本の際立った地学的特徴のひとつである地震現象と結びつく研究となっています。

 

 ○化石・地層・太古の地球環境・絶滅生物・物質循環などに興味のある人には ⇒地層・古生物分野 Stratigraphy, Sedimentary Geology, Paleontology

・一般に:地球表面で起こる堆積作用(地層の形成)と,地層中に保存されている過去の生物の化石とを手掛かりに,地球表面の環境変遷と,その中で生物はどのように生きてきたかを解き明かすものです。

・当プログラムの特徴:地層の形成過程や,地層が形成される場である堆積盆地や付加体,地層と不可分の関係にある化石などの領域を広くカバーしています。化石の分野では,大型化石と微化石の両方を扱い,さらに古生代から新生代までの時代を対象としています。

 

 ○地質災害の原因究明・防災の科学・地学現象と社会との関連に興味のある人には ⇒災害科学分野 Disaster Science

 災害・復興科学研究センターの地質系教員との連携により,災害科学(火山・斜面・地盤)分野の研究も盛んです(教員紹介ページ参照)。

 


☆トピック

 当プログラムの岩石学・構造地質分野で伝統的に取り組んでいる重点テーマとして,「北海道・日高変成帯の研究」と,「オマーン・オフィオライトの研究」があります。理学部玄関前の「地球深部の散歩道」という常設屋外展示(無料)にて,日高変成帯の美しい大型岩石標本群を見ることができます。”地球深部”とは,いったいどのくらいの深さのことでしょうか?…. 資料はこちら(高解像度pdf, 3.3MB)とこちら(低解像度pdf, 350KB)からダウンロードできます。